初診日は約15年前、仕事での残業が多く、過労状態が続いていたことに加え、会社での人間関係の悪化やストレスから会社へ行けなくなり、休職することになった。ほどなくそのまま退職。その後も自室から出られない状態が続き、食事摂取や入浴、着替えなど、日常生活活動にも支障をきたしていた。途中、症状がやや改善し、就労できていた時期もあったが、しばらくすると状態が悪化し、就労できなくなるということの繰り返しであった。現状でも自室にとじこもってしまい、落ち込みや悲観的思考が強く、日常生活での支障も大きく、家族の援助がなければ生活できない状態が続いていた。
就労できていた時期はあったものの、障害認定日、途中、現在ともに状態は重く、現在も同じような状態が続いており、話しかけても反応がなかったり、気持ちが動揺することがあると感情が抑えられなくなったり、日常生活への影響も大きく、長年にわたり同じような状態が引き続いていることから、障害等級の2級に該当し、遡及の可能性も高いと判断しました。
初診日と障害認定日の病院が同じであり、当時のカルテも残っていたため、障害認定日の診断書への初診日の記載で代用できました。
障害認定日から約14年経過していたため、ただ診断書を医師へ渡すだけでは当時のご本人様の状態がしっかり反映された診断書を作成していただくことは難しいと判断し、お母様の当時の状況を思い起していただき、ご本人様の当時の日常生活でのご様子や状態を詳しくまとめた資料を作成しました。いくら診断書を作成していただいても実際よりも軽度な状態の診断書が出来上がってしまえば意味がありません。その内容によっては、実際には障害年金を受けられる状態の方でも不支給となってしまったり、実際の状態よりも軽い等級となってしまうケースも少なくありません。
お母様と医師のご協力もあり、障害認定日当時・現状の診断書ともに、適切な診断書を作成していただくことができました。
このケースは、成人後の厚生年金加入中に初診日のあるケースでしたが、診断書の「発達障害関連」の欄の症状にチェックが記載されていたため、20歳前障害と誤解されないよう気を配りながら、これまでの状況を詳しく記載しました。(長年厚生年金に加入されてからの厚生加入中の初診日での申請と20歳前障害での申請では、受給できる金額に大きな差が生じます。)そして、この病歴・就労状況等申立書の内容によっても申請がスムーズにいかなくなるケースもありますので、診断書との整合性やポイントを踏まえた記載をすることが重要です。
障害の状態が長年にわたり認められ、無事、5年遡及の障害厚生年金2級が決定されました。長年厚生年金に加入されてからの初診であったため、遡及金額は800万円あまりになりました。これまで大変な思いをされていらっしゃったお母様は、「申請がこんなに複雑な内容とは思っていなかった。とても私たちではうまくいかなかった。やっぱり専門の人に頼んでよかったです。」と大変喜んでいらっしゃいました。
今回のケースは、障害認定日に遡っての申請でしたが、現在の制度では時効があり、遡及が認められても5年前までしか遡って受給ができません。もっと早く障害年金の申請をされていらっしゃったら・・・・ と受給が決定されて嬉しい反面、悔しい気持ちも残るケースでした。
こちらでは実際に、障害年金を既に受給した方々の事例の一部を紹介しております。
うつ病で5年遡及の障害基礎年金2級が決定された事例
うつ病で障害基礎年金2級が決定された事例
統合失調症で障害基礎年金2級が決定された事例
持続性気分障害・うつ病で5年遡及の障害基礎年金2級が決定された事例
躁うつ病で障害厚生年金2級が決定された事例
うつ病で障害厚生年金3級から2級に額改定された事例
うつ病で5年遡及の障害厚生年金2級が決定された事例
自閉症、軽度知的障害で障害基礎年金2級が決定された事例
アスペルガー症候群で障害基礎年金2級が決定された事例
●基礎知識 | ●受給額 | ●受給のポイント | ●受給要件 |
●障害年金の種類 | ●必要書類 | ●障害の認定方法 | ●請求時の注意点 |
●障害年金の等級 | ●相談の流れ | ●受給の流れ | ●サポート料金 |
●年金レポート | ●障害者手帳 |